「バーチャル (virtual)」とは? 「仮想」の和訳は間違い?本当の意味を簡単に解説!

VR(バーチャルリアリティ)やバーチャルYouTuberなど、「バーチャル」という言葉をよく耳にします。

“VR”は「仮想現実」とも言いますが、実は “virtual “に「仮想」という訳はありません。

バーチャル (virtual) とは? 本当の意味について、簡単にわかりやすく解説します!

バーチャル(virtual)とは?

仮想記憶(仮想メモリ)、仮想現実(バーチャルリアリティ)、仮想世界、バーチャルアイドル、バーチャルYouTuber、などなど…。

バーチャル」「仮想」という言葉は、よく耳にする言葉となりました。

そのため、「バーチャルを和訳すると、「仮想」という意味だ」と思っている方も多いでしょう。

ところで、”virtual” という言葉を、英和辞書などで調べてみたことはありますか。

バーチャル(virtual)の和訳は「仮想」なのか

まず、”virtual” を『ジーニアス英和辞典』で引いてみましょう。

virtual (形) (比較なし)
①[限定] (名目上はそうではないが)実質上の事実上の実際上の
②(物) 虚の、仮の (⇔ real)

用例として、” virtual bankruptcy (事実上の倒産) ” や ” a virtual image (虚像) ” などが挙げられています。

そうです、もともと “virtual” (バーチャル) という言葉に、「仮想」という和訳はないのです!

「事実上の倒産」とは、ほとんど倒産しているような状態だけれども、実際にはまだ倒産していない状態です。

他にも、たとえば、「婚約関係ではないけれど、長期にわたって同棲生活を送っている男女」のことを、「事実上の夫婦だ」などと言いますよね。

このように、「事実上の」という言葉は、「事実ではないが、ほとんど事実に近い」という意味です。

これこそが、本来の「バーチャル」(virtual) の意味なのです。

バーチャル(virtual)を英英辞典で見てみましょう

ちなみに、『ロングマン現代英英辞典』には、virtual の説明として以下のように書かれています。

virtual / adj [only before noun]
very nearly a particular thing

「ある特定のものに、ほぼそっくりなもの」という感じの意味でしょうか。

バーチャル(virtual)の和訳をもっと簡単な言いかたにすると、「実際は異なるけども、ほとんど同じような」と表現できます。

もっと他の用例も見ながら、考えていきましょう。

VRやバーチャルYoutuberについて

さきほど「バーチャル」の例としてだした言葉について考えます。

バーチャルリアリティは、ヘッドマウントディスプレイやゴーグルを装着して、立体的な音声や映像を見ることで、作られた世界の中に本当に飛び込んだかのように体験できる、というものです。

これを言い換えると「作られた世界だけれども、さまざまな感覚が刺激されることによって、本質的には その環境にいるような体験ができる」となります。

まだまだ難しいので、よくテレビなどで紹介される「海底にいる体験ができるバーチャルリアリティ」を例にあげて説明しますね。

人間は、視覚や聴覚といったさまざまな刺激をうけることで、今いる世界を感じています。

ヘッドマウントディスプレイを装着すると、目の前を泳ぐ魚が見えたり、潮の流れる音を聞こえたりする、といった体験ができます。

このとき、「本当に海底にいるみたい!」と感じたら、それは「本質的に海底にいるのと同じ体験をしている」と言える、ということです。

(もちろん、水の抵抗がなかったり、水中なのに呼吸できたりと、バーチャルリアリティだけでは再現できない要素もありますが……)

もう一つ、いま流行りのバーチャルユーチューバー (Vtuber) についても考えてみましょう。

バーチャルYouTuberとは、YouTubeなどで動画配信をしている架空の3Dキャラクターのことです。

実際には、キャラクターが本当に存在しているのではなく、裏で喋ったり体を動かしたりしている人が当然いるはずですが、私たちには見えないので分かりません。

つまり、視聴者がバーチャルYouTuberの動画を見ている時、単に「キャラが動くのに合わせて人が喋っている!」と感じるのではなく、「実質的に そのキャラクターが目の前に存在している」ように感じられるのです。

このように、「バーチャル」がつく言葉は、「実際は異なるが、ほとんど同じようなものだ」と言いかえられる、というわけですね。

「バーチャル=仮想の」は誤訳?

ところで、バーチャルリアリティの訳語としては、仮想現実が一般的です。

仮に想定された現実のような世界」ということで、となく意味は通じそうな気もしますよね。

仮想」という言葉は文字通り、「仮に考えること、仮に想定すること」です。

これには「存在しないものを、仮に存在すると考える」という意味合いが強いです。

たとえば「仮想敵」という言葉を考えてみると、

「何か計画を立てるうえで、仮に想定した敵」ということで、実際に敵として目の前に存在しているわけではないですよね。

この「仮想」という意味で考えると、バーチャルリアリティもバーチャルYouTuberも、「実際には存在しない、架空のもの」という否定的な印象になってしまいます。

やはり、バーチャル(virtual)という言葉は「本質的・実質上には同じようなもの」と理解する方が、個人的には良いような気がします。

ちなみに、コンピュータ用語では「仮想メモリ」「仮想ドライブ」のように、「仮想」という訳が定着しています。

一部の辞書や英単語帳には、”virtual” の和訳に「仮想の」も書かれているものがあります。

時代によって言葉の意味や使いかたは変化するものですから、「バーチャル」の訳として「仮想(の)」も認められ始めているのかもしれませんね。

おわりに

今回は、バーチャル (vitrual) という言葉の本当の意味について、できるだけ簡単にわかりやすく解説しました。

そういえば、ある時期に話題になった「仮想通貨」は、英語では ” virtual currency ” と言います。

仮想通貨で大儲けした人もいるでしょうが、損してしまった人にとっては「実際には存在しない通貨」にお金を払っていた、というバーチャル体験になったかもしれませんね。

最後までご覧いただきありがとうございました。

以上、「バーチャル (virtual)」の本当の意味とは? 「仮想」という和訳は間違い? 本当の意味を簡単に解説!の解説でした。

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